アルピーヌ・A110|蘇るクラシックカー

アルピーヌ・A110とは

アルピーヌとはジャン・デレデによって創業されたフランスのスポーツカーメーカーでありモータースポーツ発祥の国と言われるフランスのブランドである。

ル・マンで総合優勝するなど数々のレースで勝利してきたメーカーでもある。

アルピーヌの始まりは創業者のジャン・デレデがルノー4CVをチューニングしてレースで勝利したことによりアルピーヌ社を設立し初の独自モデルのA106をパリ・サロンでデビューしたことがA110の始まりになっている。

今回のアルピーヌのように昔の車を現在の技術を取り入れることによって復刻した車両は今までにもいくつかあった。

1998年のフォルクスワーゲン・ニュービートル、2001年のミニ、2007のフィアット500といったように過去の名車を復刻してまた人気を醸すというビジネスモデルは確かに存在する。

しかし今回のアルピーヌが他の復刻車と決定的に違うのは戦後にフランスで始まった自動車レースで活躍した歴史にも名を残している車というところがある。

当時の自動車レースの、起源はフランスだったとされ今でもル・マン24時間耐久レースはフランスで行われたりと、数々ある耐久レースの中で大きな大会がフランスで開催されるのはモータースポーツ発祥の国というのもあるかもしれない。

アルピーヌ・A110|蘇るクラシックカー

アルピーヌ・A110|蘇るクラシックカー

モデル・グレード

アルピーヌ・A110

排気量

1798cc

エンジン

直列4気筒DOHCターボ

最高出力

252PS/6000rpm

最大トルク

32.6kgm/2000rpm

ミッション

7AT(DCT)

駆動輪

MR

全長×全幅×全高

4205×1800×1250mm

燃費

14.1km/L

新車販売価格 790万円〜

仕様としてはピュアリネージがあり、主な違いとして現時点ではピュアを選んだ場合ボディー色は『ブラン グラシエ』『ブラン イリゼメタリック』を選ぶことができ、リネージでは選ぶことが出来ない。

逆にリネージを、選んだ場合にはボディー色に『グリ トネールメタリック(グレーのような色)』を選ぶことができ、ピュアではこの色は選ぶことは出来ない。

『ブルー・アルピーヌメタリック』という青色だけはピュアとリネージの両グレードで選択可能となっている。

そして内装も大きく異なっている。

まず、ピュアを、選んだ場合はシートが軽量モノコックバケットシートとなっているのでリクライニングなどは出来ない。

シートの素材はレザーとマイクロファイバーが組み合わされており、マイクロファイバーとはわかりやすく言うと実際にはスウェードではないが、触り心地や質感がスウェードみたいな生地である。

逆にリネージはブラウンレザーのスポーツシートであり、こちらはリクライニングできてシートヒーターもついている。

なので本当にスポーツカーとして楽しみたいのであればピュア、ある程度の快適性もスポーツカーの中に欲しいという方はリネージを選んだ方がいいと思う。

この新型アルピーヌ、1.8リッターで252馬力なのにも関わらず、ポルシェのミッドシップスポーツカーであるケイマンSよりアルピーヌの0-100km/hが4.5秒とケイマンSの4.6秒より0.1秒ではあるが速いことがスポーツカーとしての性能の高さを表している。

馬力では敵うはずのないポルシェのケイマンのそれも上位グレードであるケイマンSにも匹敵する走行性能は何処からもたらされるのか?それはわずか1110キロ(リネージは1130kg)という車両重量が可能にしている。

それに対してケイマンSは1410キロと約300キロも多いことに調べていて気がつき、やっぱり車の性能というのはひとえに馬力では表すことが出来ないんだなと再認識した。

そしてインテリアの豪華さもポルシェに勝るとも劣らない高級感を感じた。

まずハンドルは本革でしっとりしており手に程よく吸い付くような持ちやすさがあった。

そしてパドルシフトはウィンカーとの間の位置にあり直感的に操作でき、まさに日常にレーシングを感じることができる。

またピュアモデルのシートはバケットシートとなっていたためリクライニングは出来ないが前後へ動かしたり上下に動かして目線の高さを変えることも出来るので自分の最適なドライビングポジションに動かすことが可能だ。

リクライニング出来ないと座り心地良くないのかと思ったらそうでもなく、スポーツシートとしてのの硬さはあるが座ると背筋がしっかり伸ばされるように感じて、姿勢が良くなるので意外と長時間運転しても疲れないのではないかと思った。

その辺は実際に運転してみなければわからないが・・・

またアルピーヌの白と青の色の塗装にも特徴があり、塗装をした後に光沢を出すために仕上げにクリア塗装をするのだが、そのクリアに少量の青色を入れているというのを店員の方が教えてくれた。(ただ『ブラン グラシエ』『ブラン イリゼメタリック』の色のどちらに入っているのかを聞きそびれたことを後悔している。)

そうすることで、光に当たった時に白の中にかすかに青に反射する部分があって、それは何とも言えない上品さを感じた。

グレーのクリア塗装には青色が入っていないので、もし青の上品さを感じたいなら白と青を選ぶことができるピュアモデルをお勧めする。

後ろ姿も極めて格好良かった。

流線的に前から流れてくるラインが何とも美しく感じスポーツカーだがいやらしさは全くなく、むしろ品の良さを感じる後ろ姿だった。

車の後ろ姿というのも自分では運転中に見ることはないが、周りで運転してる人は見るので、このアルピーヌは後ろ姿だけでも『何だろあの車?』と感じて前の顔つきも見たくなるような車だと感じた。

そういった意味ではただの後ろ姿ではあるが作りに妥協することなく全体の雰囲気を良くしていると思う。

トランクは前と後ろについておりそれぞれ一泊旅行するくらいの荷物が積めるようになっていた。

このアルピーヌで一人旅をしたらなかなか粋だなと思った。

たまには仲間とワイワイするのではなく、1人で自分の時間を作り自分と向き合う場所へこの車と旅するというのを想像すると粋な大人になったみたいに感じた。

そういった想像の中でも自分を、カッコよくしてくれる車がこのアルピーヌだ。

リネージモデルのアルピーヌは本革シートでありシートヒーターも付いていた。またピュアのバケットシートとは違いリクライニングもできるので、こちらのモデルの方が利便性の高さを感じた。

そして内装全体を茶色と言って良いのか本当の色の名称は何だかわからないが、高級感を感じるお洒落な色で統一してあって内装までも品が良いのかと思ってしまった。

左ハンドルを選ぶ利点としては、エンジンサウンドが聞こえてよりドライバーがドライビングを楽しめるようにエンジンルームからアルピーヌの左座席の後ろに音が聞こえてくる構造になってるため、左ハンドルを選択した方がドライビングの臨場感は間違いなくあると思う。

また僕個人的には左ハンドルの方が運転しやすいなと感じることが多い。その理由は何でかはわからないが、個人的な見解では利き手の右手が中央に寄りに来ることによって車両の空間認識能力が、上がるように感じる。もちろんそれには、ひとそれぞれの感想があると思うので何とも言えないが少なくとも私はそう感じた。

ただ、エンジンサウンドが聞こえてきてドライビングが楽しくなるのは凄い魅力だが、自分がもし購入するとしたら右ハンドルを選んでしまうだろうなと思った。

日本では圧倒的に右ハンドルが便利だと感じるし、もし左ハンドル車でデートした場合、女性を車線側にしてしまうことになるので安全を考えても右ハンドルが良いなと個人的には思った。

ただ、自分1人しか乗らないのであれば、ドライビングを思う存分に楽しめる左ハンドルが魅力的に感じる。

そして内装も好みだが僕はリネージの本革仕様の方が良いなと思った。というのもピュアのバケットシートだと少しレーシング感が強くなってしまうので、1人で乗ったり趣味の車としては良いが、人を乗せたりするときには、シートヒーターも付いてるし本革のしっとりした感じが品良く感じリクライニングもできて快適だと思った。

まとめ

レーシング感を本格的に感じることができるピュアとスポーツカーの中にもラグジュアリー感を感じさせてくれるリネージの両モデルはお互いに良いところがあると思い、非常に選択に悩むと思う。

また左ハンドルと右ハンドルというのも日本での利便性は圧倒的に良いがアルピーヌの購入を検討する人の中には左ハンドルに乗ることが多くて左ハンドルの方が慣れていて安心するという方もいるかもしれない。

またエンジンサウンドが左座席の背後から聞こえる演出になっているのでピュアのバッケットシートに左ハンドルで乗ればアルピーヌのレーシング感を余すことなく味わえるモデルのように思う。

そしてモーターレース発祥の国フランスで生まれたスポーツカーの復刻といえこともあって大きな注目を集めている車であり、その期待に応えるような出で立ちには素直に凄いと思いました。

ここまで、ほぼ私の独断と偏見で今回新型のアルピーヌを見てみて感じたことを書きました。この記事が少しでも購入しようと思う方や、アルピーヌがどんな車なんだろと思っている方の参考になれば嬉しいです。