BMW・5シリーズ試乗|最高のスポーツセダン
BMW・5シリーズ試乗|最高のスポーツセダン
BMW・5シリーズ523i Mスポーツに乗らせていただいてまず感じたことは本当にスポーティーな車だなということを感じた。
以前にも2世代前のE60の5シリーズに乗る機会があったのだが、わずか2世代の間にこんなにも車が進化するのかと感じ、523iは2リッターエンジンであるにも関わらず2世代前の3リッターエンジンの530に匹敵するほどのトルクがあり、ブレーキやステアリングを含め全てにおいて高い次元でレベルアップしてると思った。
BMWにはもともとスポーティーな自動車メーカーというイメージがあったのだが、今回の試乗でそのことを再認識させられた。
また試乗した車両はベースグレードの523iであったが凄くスムーズで力強い走りなのには驚いた。
馬力自体は184馬力と車両重量1500キロを超えている車を動かすには少し非力かなと思ったが運転してみたらそんなことを思うことが失礼だと思わされた。
またMスポーツ仕様の足回りはとても運転しやすく自分の意のままに車を操ることができる感覚があった。メルセデス・ベンツEクラスを乗った時にも実際の大きさより小さく感じたが、5シリーズはさらに実際の大きさよりも小さく感じることができた。
これは電動パワーステアリングによる切れ角の良さに加えてBMWの足回りの作りの良さがそう感じさせてくれるのだと思う。
5シリーズとは
ドイツの高級自動車メーカーであるBMWが製造する車でミドルクラスの大きさでありEセグメントと呼ばれるカテゴリーに属している。
初代5シリーズであるE12から長年にわたってBMWの販売を支えてきたモデルであり、仕事の時もオフの休日にも似合いモダンで都会的なビジネスセダンとしての印象を受ける。
またモデルにはセダンだけではなくステーションワゴンもありキャンプやゴルフ、サーフィンなどにも使えるのでライフスタイルの幅を広げてくれる車だと思う。
モデル・グレード |
523i |
523d |
530i |
530e ハイブリッド |
540i |
540i xDrive |
排気量 |
1998cc |
1995cc |
1998cc |
1998cc |
2997cc |
2997cc |
エンジン |
直列4気筒DOHCツインターボ |
直列4気筒DOHCツインディーゼルターボ |
直列4気筒DOHCツインターボ |
直列4気筒DOHCツインターボ+モーター |
直列6気筒DOHCツインターボ |
直列6気筒DOHCツインターボ |
最高出力 |
184PS/5000rpm |
190PS/4000rpm |
252PS/5200rpm |
システムトータル 252PS |
340PS/5500rpm |
340PS/5500rpm |
最大トルク |
29.6kgm/1350-4250rpm |
40.8kgm/1750-2500rpm |
35.7kgm/1450-4800rpm |
システムトータル 42.8kgm |
45.9kgm/1380-5200rpm |
45.9kgm/1380-5200rpm |
ミッション |
8速AT |
8速AT |
8速AT |
8速AT |
8速AT |
8速AT |
駆動輪 |
FR |
FR |
FR |
FR |
FR |
4WD |
全長×全幅×全高 |
4945×1870×1480mm |
4945×1870×1480mm |
4945×1870×1485mm |
4945×1870×1480mm |
4945×1870×1480mm |
4945×1870×1480mm |
燃費 |
13.9km/L |
21.5km/L |
15.4km/L |
17.4km/L |
12.5km/L |
12.5km/L |
BMWの車の作りはドライバーを第1に考えて作られていると思った。
人間工学に基づいて作られているので全てのボタンが手の届く範囲にあるように感じ、どこに何があるのかがわかりやすかった。
最近はたくさんの機能が車に備わっているため、車によっては運転しながらだと操作しにくかったり、あまり直感的に操作できないなと感じてしまうことがあるがこの5シリーズはどこに何があるか簡素でわかりやすくとても良かった。
それがチープに見えるという人もいるようだが、内装のウッドパネルからは高級感を感じ、むしろごちゃごちゃしていないのが洗礼されている印象を受けた。
足回りに関しては最近エアサスペンションの車両が増えてきているのに対して、この5シリーズはあえて従来からあるストラット式のサスペンションを使っているのだという。
サスペンションとは簡単に説明すると足回りのバネのような役割をしてくれる部品のことで、路面からの衝撃を吸収してくれる部品である。
エアサスペンションはそのバネの部分を空気の筒にする事で乗り心地を向上させている。
ストラット式サスペンションを使うのにはちゃんとした理由があってエアサスペンションだと路面の状況からの情報をコンピューターを介して行うのでどうしてもサスペンションの反応がワンテンポ遅れてしまうのだという。
それに比べてストラット式のサスペンションではダイレクトに路面の状況を捉えることができるので、より反応の良い走りを可能にする。
そういうところにBMWのスポーティーさを感じることができた。
BMWは車両の重量配分も前後が50:50になるように作られており、運転してみるとその操作性の高さからよりバランスの良さを感じることができた。
またブレーキの効きも非常に良く少し触れただけでブレーキが効いてくれるので安心して止まることができるし、多少スピードが出ていてもしっかりと止まってくれそうな印象を受けた。
普段乗っている普通の車のように、いつもの勢いでブレーキを踏むと急ブレーキみたいになってしまうのではないかと感じたほどだ。
それだけBMWは良く止まり良く走り良く曲がるといった車の基本的な機能を高いレベルで実現していると思うし、乗ってる人が車をしっかりと操れているという感覚が得られるので安心して運転することができる車だと思わされた。
またドイツの速度制限のない高速道路として有名であるアウトバーンで(一部の区域には制限速度がある区域も存在する。)200キロを安全に走行できることを前提に作られているので、そういうところからも自動車に要求するレベルの高さを感じる。
ハンドリングにおいても電動パワーステアリングは遊びが非常に少なくハンドルを切った分即座に車が反応して動いてくれる感覚があった。
ここまで反応が良いと運転が楽しくなるしBMWのスローガンである『駆けぬける歓び』を存分に味わうことができた。
メルセデス・ベンツのEクラスを試乗した時にもそう感じたが、BMWの5シリーズはさらに直感的に操作できるように思う。
先進機能としてもドライバーが設定したスピードをベースに加減速して前の車を追従してくれるアクティブ・クルーズ・コントロールやレーンの逸脱を防止するステアリング&レーン・アシストなどがあるので高速道路などでのドライバーへの負担も少なくでき運転しやすそうに思った。
そして品質に対するこだわりも強く、BMWは開発の時にその時の一流のメーカーと組むという話を聞かせていただいた。
例えばシートならレカロ、足回りならビルシュタインといったようにその開発の段階で1番ベストだと思えるメーカーとタッグを組むことによってより車の仕上がりレベルを上げることができ、それが結果的に高い品質を生み出すのだという。
その話を聞いてBMWの車作りに対するこだわりやパートナーに一流メーカーを使うことでBMW自身も一流であり続けなくてはいけないというプライドを感じることができた。
そこにBMWがただ高級車であるだけではない印象を受ける。
まとめ
全てをドライバー目線で作られているからこそ快適性の中にも運転する楽しさを感じることのできる車と感じ、最近の自動車は先進技術の進歩がすごいなと思う反面、運転するのが楽しいなと思う車が少なくなってきたように思うのに対し、BMWは先進性の中にも車を所有して走る喜びを感じさせてくれる自動車メーカーであると同時に所有する満足感のある車だと思った。
また今回はBMW港南台支店の方にレビューを書いて良いか聞いたところ快く承諾してくださり、こちらのために必要なカタログもくださり本当に助かりました。
店員さんも笑顔で気持ちのいい対応をしていただいて、経験の少ない私のようなものにも、またきてくださいと笑顔で言っていただいたのは素直に嬉しく思った。
そういうところからもブランド力の高さを感じ、BMWがミニも含めるグループ販売台数で日本国内の輸入車販売台数1位を4年連続で獲得していることに納得した。(メーカ別では3位)
ここまで僕の試乗して感じたことを独断と偏見を交えて書いてきましたが、そういう意見もあるよねくらいの軽いスタンスで読んでいただけたら幸いです。
歴代の5シリーズについては歴代5シリーズ徹底解剖!の記事もどうぞ!
*諸元表は参考までに。